レポート

往復4万円ちょいで行ける桃源郷、台湾は花蓮で踊り倒す!

なんとなく行くパーティーも例年同じでマンネリ気味、新しい風が欲しい、でもそんなネギ買うみたいに東欧へのフライトチケットも買えないし……

そんなあなたは、(特にそう感じていなくても、とにかく)台湾で近年開催されているフェスティバル「organik」への参加を是非検討するべき。

GW期間といえども、うまく取れば往復で4万円ほどで行けてしまう台湾。

会場となる東部の花蓮市は、自然の力が強くローカルかつリラックスした空気が魅力的な土地だ。

2010年に活動を開始して以来、精力的に発表し続けている台北のアンダーグラウンド・テクノ集団”SMOKE MACHINE”主催で行われているこのパーティーは、台湾ヘッズの中でも特に耳の肥えたお客が集まることで注目されている。

台北駅から、日本で言う特急の自強号に揺られること2時間半。花蓮駅からさらにバスに乗り継ぎ、市街地から海岸線を超えお忍び感のある山の中へ。 

山と海の間にあり、ビーチにも徒歩ですぐに行ける会場は絶好のロケーション!着いたら既に暗くなり始めていたので、まずは海の近くにテントを張って基地を確保してから、速攻でフロアへ。

踊り疲れたら浜辺でチルするのもまたよし。かなりカッコいい流木が大量に落ちているので、拾い集めて焚き火をしていると自然に人が集まってくる。火を囲いながら話していると「オーストラリアから来たよ」なんていう連中も。

Alf Erikksonから始まった二日目の朝は、まどろむようなビートに波の音が遠くから絶妙にかぶさってかなり心地よい滑り出し。

会場は山と海にばっちり挟まれているので、メインステージから徒歩1分ですぐ海に着いてしまうという、贅沢なロケーション。台湾は亜熱帯なのでorganikのシーズンには余裕で海へ入れるから、水着は忘れずに。

地元のスーパーで買った食材でBBQなんかしているうちに、音も大分いい感じに仕上がってきたので再びフロアへ!

景色が気持ちよく窮屈さは感じさせないが、テントサイトと会場はコンパクトにまとまっているので気持ちよい音がかかった瞬間にすぐ動けるのも嬉しい。

予約すればバンガローも利用可能、海からあがったらシャワーも無料で使えて、かなり至れり尽くせりな会場設備。

音を浴びながら木に吊るしたハンモックで昼寝するのもかなり調子いい!

organikに参加するのは今回で2回目。去年DJ NOBUが出るということでノリで参加してみたところ、ロケーションにもフェスにも予想以上にぶっ飛ばされ、今年の開催まで待てずに1年で台湾と日本を3往復してしまうハマりようだった。

今年も参加して確信したのは、単純に「異国だ!」「初参加だ!」という飛び道具感で楽しいのではなくて、唯一無二のロケーションとオーガナイザーの心意気が重なり、きちんと裏付けのある良いパーティーだったんだな、ということ。

台湾のシーンはまだ規模こそ小さいものの、ダンスミュージック好きの集まるハコであるtaipeiのクラブKornerでは、BEN UFOやGerd Johnson、Jesse Roseなど外タレも精力的に呼び込んでおり、香港なんかよりよっぽど来ているんじゃないか?という印象すらある。

実際に、organikの前にBEN UFOが来ていた時に遊びにいっていたのだが、満員御礼、予想以上の客入りだった。べろべろに酔っぱらって「楽しいね~~」なんて適当なことを言っていると、organikの主催チームであるAmandaが「でも今日のセットはホームリスニングっぽくない?かっこいいけど、今日みんなが聴きたがってた感じじゃなかったかもね」なんて鋭いコメントをぴしゃり。おみそれしました、台湾……!

オーガナイザーチームのメンバーには日本やベルリンに住んでいたメンバーもおり、organik自体はなんとruralなど日本のフェスを参考にして作った部分もあるそうだ。彼らのPodcastを聴けば、音作りやオーガナイズへの真摯な姿勢が伝わってくるはず。

さて、せっかく台湾へ行くのであれば、花蓮以外にも観光を楽しんでいきたいところ。

台湾生まれの知人におすすめを聞いたところ、真っ先にレコメンされたのが「意麺王」の乾麺と餛飩湯。乾麺25元、餛飩湯25元とかなり庶民値段で、あまりガイドブックにも出ないのかメニューは総中国語、お客もローカル色強めだ。歯ごたえのある汁なし麺にラードと台湾エシャロット、シンプルな料理だからこそ露骨に善し悪しが出てしまうところだが、無駄が一切無い完成された味で、2杯目も欲しくなってしまう。台湾大衆食堂のマスターピースを味わいたければ是非ここへ。

また、organik自体は土曜日夕方からなので、前乗りして金曜には夜市を回ったり、ゆっくりうまいものを食べに行くのもおすすめだ。

体感的に、台湾では300円出せば東京で1,000円ぐらいの、1,000円出せば3,000円ぐらいの、3,000円出せば10,000円ぐらいのものが食べられる、という印象だ。スタッフが腰の角度で90°お辞儀をしてくるような、ちょっと贅沢な店で火鍋を食べてもお会計でびっくりすることはままある。

個人的におすすめなのは、20年前に台中の屋台から始まり、今や予約無しでは入れないほどの人気店となった「鼎王麻辣火鍋」。

また、「アジアに来たな~」と思い切り感じられる夜市をぶらぶらするのも楽しい。ポピュラーな夜市はガイド本に任せることにして割り切り、今回訪れたのは「大空地夜市」。市内からバスで一時間、レイブができそうな外れのだだっ広い空き地で開催される、おそらく台北でもトップクラスに場末な夜市だ。

著作権という概念は皆無。溢れるパチものにアジアのファンタスティックを感じる。

ギャグみたいな量を盛りつけてくれる猪肉の屋台。

前後の観光も含め、まだまだ見所は沢山ある台湾、まずは是非一度、体験してみることをお勧めする。

TEXT:Ryo Otsuka

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